今回は小学校入学して親の目が少し離れる時間が多くなってくる時期に入ってきます。
そんな時、親は子の歯に対してどのように接していけば良いのか?
どのようにして虫歯や歯並びについて考えていけば良いのか?など様々な質問が増えてくる頃だと思われます。
そこで質問に答えていきたいと思います!
<歯の生理・解剖>
Q1.
どうして子どもの歯とおとなの歯があるのですか?
Ans.
乳歯は胎児期(妊娠7週目)から作られ始め、3歳頃までには全てが生えてきます。
永久歯は、歯の芽が作られるのは胎児期(妊娠4ヶ月)ですが、生後6年から12年近く経って生えそろいます。
食物を摂取して生きていくために歯が必要ですから、早く乳歯に活躍してもらわなくてはなりません。
子どもの顔と顎は小さいので小さい乳歯が必要であり、成長に伴って顎は大きくなり、より大きく丈夫な歯が必要になります。
しかし、一度作られて生えてきた歯は大きくならないので成長すると乳歯では不十分となるため新しく生えかわったり、乳歯の奥歯のさらに後ろから6才臼歯や12才臼歯と呼ばれる第一大臼歯や第二大臼歯が生えてきます。
Q2.
小学1年です。
子どもの歯の後ろを指差して痛いといいます。
歯のないところを痛がっているようです。
とくに腫れているようには見えませんが、むし歯でしょうか?
Ans.
6歳臼歯が生える時の痛みだと思います。乳歯の一番奥に生えてきます。
少し歯が出てくると痛みが収まります。
また、少し生えてきても、歯の後ろの方に歯ぐきがかぶさっていて歯ブラシがしにくいです。
ここに汚れがたまって炎症を起こすと痛みが強くなりますので、きっちりと歯ブラシをしましょう!
<歯みがき・むし歯予防>
Q1.
電動歯ブラシは使用してもいいですか?
Ans.
最近では電動歯ブラシも沢山種類が販売されていてかなり良くなってきていますので、使用してもかまいません。
ただし、使い方や歯ブラシの回転方法によっては、歯肉が傷ついたり、下がったり(退縮)します。
また、歯並びや歯の形によっては細かいところまで電動ブラシの毛先が届きにくいこともありますので、注意して歯ブラシを心掛けましょう。
また歯ブラシの大きさや重さも色々あり、子ども自身では充分使い切れないこともあります。
保護者の方が仕上げ磨きで使用するにしても、電動歯ブラシだけに頼らず、手用歯ブラシも使えるようにしましょう。
Q2.
一番奥に大人の歯が生えてきました。
むし歯にしないようにするにはどうしたらいいでしょうか?
Ans.
6歳頃に乳歯のさらに奥に生えてくる大人の歯を第一大臼歯(6歳臼歯)といいます。
お口の一番奥に生え、さらに歯のかむ面を歯ぐきが覆っている期間が長く、歯ブラシがうまく当たらずにむし歯になりやすいところです。
健診を受けて、虫歯にならないようにしましょう!
生えてきて間もない永久歯をむし歯にならない強い歯にするには、「フッ化物の塗布」も有効です。
<むし歯>
Q1.
むし歯はどうしてできるのですか?
Ans.
口の中にいるむし歯原因細菌(主にストレプトコッカスミュータンスが、糖質を利用して歯の表面にグルカンと呼ばれる水に溶けないネバネバした物質(プラーク=歯垢)をつくります。
このプラーク(歯垢)が細菌をすみやすくし、その中のむし歯原因菌が糖質を利用して酸を作り、その酸が歯の表面を溶かすことで、むし歯となります。